AI関連事業と知的財産

IT企業・製造業だけではなく小売業・サービス業・第一次産業など様々な業種で関わってくるAI(人工知能)・IoT(Internet of Things)を利用したサービスやシステム。労働人口の減少により今後ますますAI化は進んでいくことが予測されます。そこで重要となってくるのが、AIやIoTに関わる各種法律や知的財産の問題です。

AIはビジネスを先に開始して多くのデータを集めることで開発を有利に進められるため、開発や権利化は「待ったなし」の状態ですが、まだ対応が十分に進んでいないのではないでしょうか?

参考)AI関連発明の出願状況を調査しました(2020年7月27日 特許庁プレスリリース)

https://www.meti.go.jp/press/2020/07/20200727003/20200727003.html

AI関連ビジネス どこをどう守る?

AI関連ビジネスは、現場のノウハウや収集データを活用して、AIシステムを開発し、それらを運用することで事業の高度化・効率化等を図るものです。現場のノウハウや収集したデータは著作権法や不正競争防止法、民法などにより保護、学習済み機械学習モデルは特許や著作権などにより保護することができます。ただし、AI関連ビジネスのどこをどのような法律で保護し、足りない部分はどのような契約でカバーすればよいか、どこを特許として保護するかなど、高度な判断が求められ、法律全般の知識に加えAI関連特許に詳しい専門家のサポートが必要になってきます。

2019年6月24日開催「AI知財セミナー」

常本俊幸弁理士を講師として、AI・IoTの可能性や法律などの基礎知識から、AI関連事業の特許取得のポイント・方向性、トレンドを予測したノウハウまで最先端のAI知財戦略のセミナーを開催しました。

 2019年6月24日開催『AI知的財産セミナー』スライド目次
2019年6月24日開催『AI知的財産セミナー』資料より抜粋
2019年6月24日開催『AI知的財産セミナー』資料(抜粋)
どの法律でどこを守るか?
2019年6月24日開催『AI知的財産セミナー』資料より抜粋
2019年6月24日開催『AI知的財産セミナー』資料(抜粋)
社内の体制をどうすればよいか?
2019年6月24日開催『AI知的財産セミナー』資料より抜粋

ビッグデータや機械学習モデルは誰のもの?

AI開発は、データを保有する事業会社とAIシステムを開発するベンダー企業とが連携して行う必要があります。データを保有する事業会社はデータをなるべく出したくないですし、ベンダー企業は多く事業会社からデータを取得して、横展開したいと考えます。開発した学習済み機械学習モデルの権利は、事業会社はノウハウやデータがあったからこと開発できたと考えるでしょうし、ベンダー企業も自社のAI関連技術やノウハウがあったから開発できたと考えることでしょう。

こういった対立利益をうまく調整するには,契約法務や知財そしてITに関する総合的な知識が求められます

弊所の取組みについて

知財を担当する常本弁理士は、エレクトロニクス及びITやAI分野で技術者としての開発経験と知財担当者としての経験があります。

また、会社在職中に休職してロースクールに進学し、契約法や経済法を含む法律全般を学ぶと共に、特に知的財産に関する裁判例を深く研究し、技術や知的財産を取り巻く隣接法域と知的財産法の融合領域への対応が可能です。

その知識と経験を活かして、深層学習・機械学習などのAI分野や、エレクトロニクスを活用したIoTなどの新しい分野の特許や知財関連契約にも積極的に取り組んでいます。

例えば、AI開発では、生データの取り扱いで著作権法や不正競争防止法などを考慮した契約が必要になることに加え、どこを特許で守り、どこを契約で担保するかの総合的な知見が必要になります。

このため、特許出願のノウハウと、AIやITなどの技術的な知識、各種契約や法令に関する総合的な知見を活かして、お客様のビジネスを有利に進められるように支援して参りたいと考えております。