日本弁理士会北海道会の会長就任のご挨拶

 本州では桜の便りがあちこちで聞かれるようになりました。北海道はまだ寒い日が続いておりますがいかがお過ごしでしょうか。

 皆様方に置かれましては、4月1日から新年度が始まり、今期の目標に向かって動き出していることと思います。

 また、新入社員や異動された方々は、心機一転、いろいろなことに胸躍らせつつも、新しい環境に慣れるのに苦労されていることと思います。

 当職においても、4月1日から弁理士会北海道会の会長に就任し、身が引き締まる思いです。

 弁理士会北海道会のウェブサイトに、会長就任のご挨拶が掲載されていますが、ここでも掲載いたしますので、もしよろしければご一読いただければ幸甚です。

 それでは、今後とも当事務所および日本弁理士会北海道会をどうぞよろしくお願いいたします。


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◆日本弁理士会北海道会 会長のご挨拶 

 令和6年度日本弁理士会北海道会の会長に就任いたしました常本俊幸(つねもととしゆき)と申します。

 弁理士は、技術及び知的財産関連の法律の両面に精通し、知的財産権(特許権、実用新案権、意匠権、商標権など)を取得したい事業者様の代理人として特許庁への手続きを行うことや、知的財産権に関する契約、係争などを支援する専門家です。

 日本弁理士会北海道会は、道内に拠点を構える65名(2023年12月15日時点)の弁理士より構成されており、道内の各地で活動を行っております。所属する弁理士が個々に活動して皆様の権利化等のお手伝いをするほか、日本弁理士会北海道会として、週2回の無料相談会、講師派遣、セミナー開催などを行い、公的機関や関係団体と連携して、北海道全体の知財活動をサポートいたします。

 道内の商標の出願件数は、この20年間、約1,600~1,800件/年と安定して推移していますが、道内の産業全体に占める製造業の割合が全国平均の半分以下と低いことなどを背景として、道内の特許出願件数は年々減少しており、20年前(約1,700件/年)の約1/3(約600件/年)となるなど、道内の知的財産を取り巻く環境は大変厳しい状況となっています。

 他方で、道内の豊富な農林水産資源や冷涼な気候、広大な土地などを活用して、新しい取り組みにチャレンジする事業者様も増えており、明るい兆しも見え始めています。例えば、農業、畜産業、漁業などにAI・IoTを活用して効率化する取り組み、自然エネルギーの活用、データセンターの設立及び半導体産業の立地推進などです。また、道内事業者様の海外進出、スタートアップやベンチャー企業の設立も増えてきています。

 海外進出の際は、国内商標に加え外国商標の登録が必要になりますし、新しい技術やアイデアを保護するために国内及び外国特許の取得も重要になってきます。

 また、ブランド価値や企業価値を向上させたり、他社と差別化して独自性を発揮したりしていくうえで、知的財産の活用は有効な手段であり、商標や特許等の取得を、コストではなく投資と考えていくようなマインドの変革も求められているといえます。

 私たちは、事業者様の事業戦略を知的財産の側面からご支援し、ブランド価値、企業価値の向上を一緒に考え、北海道の経済や産業の発展に貢献できるよう努めて参りますので、今後とも日本弁理士会北海道会および所属弁理士をどうぞ宜しくお願い申し上げます。

令和6年度 日本弁理士会北海道会

会長 常本 俊幸

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