つながる特許庁in札幌 交流会に出席しました

 10月4日(金)、特許庁・北海道経済産業局様の主催で、アスティ45(16階)にて「つながる特許庁in札幌」が開催されました。
 第1部では研究者や企業経営者による講演や北海道会の弁理士(富田先生)を交えたパネルディスカッションが行われ、第2部では日本弁理士会主催の交流会が開催されました。

 当職は、日本弁理士会北海道会の会長として、第1部の来賓として出席するとともに、第2部の交流会に主催者側で出席しましたので、第2部の交流会の状況についてご紹介します。

 第2部の交流会は第1部のすぐ隣の会議室で行われ、参加者の人数も53名と盛況でした。
 交流会では、AI関連のスタートアップの企業経営者や技術者の皆様、スタートアップ企業を支援する関係機関の皆様と情報交換や意見交換を行うことができ、大変参考になりました。
 交流会の冒頭では、当職の会長挨拶のほか、日本弁理士会北海道会の副会長(杉田先生)から企業支援の取り組みについてご説明しましたので、その一部をご紹介します。

写真1(会長挨拶)
右:写真2(北海道会の紹介)左:写真3(交流会の様子)

会長挨拶の内容

 本日は、皆様方におかれましては、大変お忙しい中、交流会にご参加いただきまして誠にありがとうございます。
 
 また、この場を用意していただいた特許庁、及び道経産局の皆様、日本弁理士会の本会の経営センターの皆様には心より御礼申し上げます。

 このあと、日本弁理士会北海道会の副会長の杉田先生から、北海道会の事業内容について紹介させていただく予定ですが、私の方から、本日のテーマでもある、AI関連のスタートアップ事業者様、及びスタートアップ事業者様を支援する皆様へのエールとして、若干、グラフなどを交えながら、一言申し添えたいたいと思います。

 現状、日本の特許出願件数は、グラフ1のように、年々低下しており、他の国との差が広がってきています。

グラフ1(各国の特許出願件数の推移)

 そして、国内に目を向けてみますと、次のグラフ2のように、地方の特許出願件数の減少傾向がみられ、特に北海道の減少傾向が顕著です。

グラフ2(国内の地域別特許出願件数の推移)

  また、本日のテーマでもありますAIに目を向けてみても、グラフ3のように、我が国の特許出願は他国と比較して、かなり厳しい状況です(注1)。

 そういう中でも、やはり、良い発明はスタートアップから生まれていますので、スタートアップの皆様には北海道、ひいては日本をリードしていっていただければと考えております。

 また、スタートアップ事業者様、及びスタートアップ事業者様を支援する関係機関の皆様には、私たち北海道会の弁理士を活用していただき、共に、北海道を盛り上げていきたいと考えておりますので、どうぞご協力をお願い致します。

(注1)グラフ3の補足説明

あくまで、その国の特許庁がIPC分類でG06N(AIコア発明)を付与した特許出願の件数ですので、その国の特許庁の運用次第でかなり件数に差が出ると推測されます。

 当職の調査した限りでは、日本特許庁の運用では、G06N(AIコア発明)を付与するケースはかなり限られており、ニューラルネットの構造に関連する発明が含まれているケースでも、G06F(情報処理)やG06T((画像処理)が付与されるに留まるなど、かなり厳密な運用をしていると思われますので、少し緩和する方向で運用の見直しをしてもよいのではないかと考えているところです。
 グラフ3のような国際比較をされてしまう以上、特許政策上も必要なことと思います(交流会では特許庁の総務部長様も参加されておりましたので、個人的意見としてお伝えしておきました)。

 なお、AI関連特許においては、G06N(AIコア発明)だけではなく、G06F(情報処理)やG06T(各種画像処理(画像分析移管する学習技術等を含む))などもAI技術に分類され、各種のAIを利用した技術が出願されています。

日本弁理士会北海道会の紹介

 日本弁理士会北海道会の副会長(杉田先生)から、日本弁理士会北海道会の紹介と、企業支援の取り組みについて説明していただきました。
 日本弁理士会北海道会の紹介としては、事務所の紹介、略歴の紹介、構成メンバーの紹介を行いました。

スライド1
スライド2
スライド3

 日本弁理士会北海道会の企業支援についての活動内容については、スライド4に示すように、1.北海道会が運営する常設無料相談会、2.北海道庁との連携事業である知財マネジメント普及モデル事業、3.北海道発明協会及びINPITとの連携事業である知財窓口専門家による相談対応、についてご説明しました。

スライド4

今回は以上です。