特許庁作成『漫画審査基準 ~AI・IoT編~』 のご紹介

今回は、特許庁から2021年4月にリリースされた『漫画審査基準 ~AI・IoT編~』についてご紹介します。
これからAIやIoTを活用していこうと考えている皆様が、特許を取得するために、どのような観点で取り組めばよいのかのヒントにしていただければと思います。全体の構成は、下記の7部構成になっておりますが、 今回は、この中から、いくつかピックアップしてご紹介します。


特許庁ウェブサイトより https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/comic_ai_iot.html

”特許の専門家でない方も特許審査に親しんでいただきたい、より多くの方に審査基準に興味を持っていただきたい、審査基準を理解していただくためのハードルを下げたい、そんな思いから、世界でも類を見ない新たな試みとして、特許の審査基準の基本的な考え方を漫画化いたしました。社会的関心の高いAI・IoT関連技術を題材として取り上げましたが、特許審査の基本的な考え方は他の分野とも共通するため、AI・IoT関連技術以外の分野に興味のある方も是非ご覧ください。(令和3年4月 特許庁調整課審査基準室)”


全体構成

図1. 特許庁発行『漫画審査基準 ~AI・IoT編~』
表紙より

プロローグ
特許審査へようこそ
発明該当性
新規性
進歩性
記載要件
エピローグ
(エピローグにはさらに詳しく学びたい方、専門家へ相談されたい方向けに各種リンクが含まれています)

◆「プロローグ」より

プロローグでは、特許を取得する目的や意義について説明があります。 

図2. 特許庁発行 漫画審査基準 ~AI・IoT編~ 
プロローグより

この点は、当事務所のリーフレットでも下記のようにご案内しているところですが、①特許を取得したことが参入障壁となり、価格競争に巻き込まれなくなることと、②特許を取得した技術を大事に育てていく機運が生まれること、の相乗効果で売り上げや利益率を向上していくようです。

当事務所の知財リーフレットより抜粋(一部改変)

また、AIやIoT技術はソフトウェア(プログラム)で成り立っていることから、著作権との関係が気になるところですが、プログラムは表現を保護する法律なので、ソースコードをそのままコピーするケースしか保護できないのに対し、技術的なアイデア自体を保護するためには特許で保護する必要があることなどを、本資料では図解で分かりやすく説明しています。

https://www.jpo.go.jp/system/laws/rule/guideline/patent/document/comic_ai_iot/00.pdf特許庁発行 漫画審査基準 ~AI・IoT編~ プロローグより(一部改変)

「進歩性」より

進歩性判断など、込み入った部分の説明はどうしても難しくなるようで、説明がかなり簡略化されています。しかし、吹き出しなどを使って、ポイントを簡潔に説明している資料ですので、技術者向けの社内研修などでうまく活用されるとよいと思います。

特許庁発行 漫画審査基準 ~AI・IoT編~ 進歩性より

なお、上記の例などはかなり簡略化されているのですが、多くのAIやIoT関連特許では、今まで人が行っていた判断を単純に置き換えるものではなく、これまで人手では処理できなかった大量のデータから新たな特徴(最適な判断根拠)を見出して判断するというものが多く、AIやIoT関連特許の特許取得率が80%を超えていることにも表れているように思います。


今が特許取得のチャンスであることに変わりはないので、逆に言えば、他社に先を越されてしまわないように、AIやIoT関連特許取得にチャレンジすることをお勧めいたします!

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